皆さんは現在、日本に認知症の方がどれぐらいおられるか知っていますか。厚生労働省の推計によると、2012年時点で65歳以上の認知症の人は、462万人です。7人に1人がこれに当たるとされています。さらに、2025年には認知症の人は700万人、65歳以上の5人に1人が認知症になるという新たな推計も示されています。
こうした中で、認知症の発症や進行に関する病態も次第に明らかになっており、日常の食事を始めとする生活習慣との関わりの重要性が指摘されています。
栄養バランスのとれた食事をしましょう
健康で自立した生活の基本は「栄養バランスのとれた食事」です。下のチェック表に自己評価を記入してみましょう。△と×を確認することで、食生活の改善ポイントが明確になります。
している: 〇 ほぼしている: △ していない: ×
牛乳・乳製品は、吸収の良いカルシウム源。1日1本(200㏄)くらいは飲んでいる。
野菜、根菜類、海藻、きのこ、いも類は、茹でたり、炒めたりして、毎食2皿食べている。
塩分を減らすように心がけている。(高血圧の予防・改善に重要)
いかがですか?
〇のところはこれからも続けていくように、△や×のところは少しずつ改善していくようにしてみましょう。
・抗酸化作用のあるビタミンC、ビタミンE、βカロチンやポリフェノールを多く含む野菜や果物を意識して摂るようにしましょう。
・血液を固まりにくくする働きのある不飽和脂肪酸のDHA(ドコサヘキサエン酸)やEAP(エイコサペンタエン酸)を多く含むサバ、イワシ、サンマなどの青魚がおすすめです。
・動脈硬化を予防する働きのあるリノレン酸、オレイン酸を多く含むシソ油、エゴマ油、オリーブ油などやナッツ類も食べるようにしましょう。
過度の飲酒は、さまざまな生活習慣病の原因になるとともに、それ自体でアルコール性認知症の発症リスクを高めます。
食事作りは、献立を考え、材料を選び調理、味付け、配膳と知らず知らずのうちに身体を動かし、脳を活性化させています。「家族に食べさせたい」「仲間や友人にも」という広がりもでき、自分自身の気分転換だけでなく人と社会との張り合いのあるつながりも生まれ、結果的に認知機能を維持する効果も期待できます。
創造、創作的な活動の頻度が高い人ほど、認知症の発症率が低下するといわれています。
また、地域社会や趣味の会などに参加することで、人と社会の広がりもでき、それが毎日の生活に張りを生み、認知症の予防にも役立ちます。
認知症の予防に、運動の継続性が期待されています。運動は、記憶をつかさどる海馬の神経細胞の維持に、効果をもたらすと考えられています。
また、脳を使いながら運動をすると脳が刺激を受け、神経細胞が活性化するため、認知症予防の効果がさらに上がることが期待できます。例えば、ウォーキングをするときなどはただ歩くだけでなく野菜や果物の名前をあげていったり、足し算や引き算などの計算を行ってみるのもおすすめです。2人で行うときはしりとりをしながらでも楽しそうですよね。
1日30分、週3日以上を目標に始めてみましょう。
さまざまなことに興味を持って毎日を過ごすことは、知らず知らずの内に認知機能の維持につながります。ぜひ、張りのある日々の大切さを理解し、毎日の生活習慣を見直してみてください。
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