今回は、しもやけについてのお話です。しもやけは、医学的には凍瘡(とうそう)とも呼ばれ、昔に比べると建物の気密性が良くなった、暖房器具、防寒具などが良くなった等の変化によってなる方は減ってきてはいますが、それでもこの時期になると多くの方が困らされている病気だと思います。
原因
繰り返す寒さによる刺激によって血流が悪くなることが原因とされていますが、寒さによる影響だけではなく遺伝的要因も大きいとされています。時期的には、真冬よりも1日の気温差が10度以上あるような冬先や冬の終わりごろに起こりやすいとされています。患者さんとしては、子供や、高齢者、水仕事をする女性に多いとされています。また、寒さ対策で手袋、靴下などをしていても、汗で蒸れた状態が続くと逆に冷えてしまいしもやけの原因になることもあります。
症状
主な症状としては、赤~赤紫色に腫れて、痛みや痒み、熱さを感じたり、ひどい場合では出血や水疱を生じる場合もあります。また、症状は「多形紅斑型(M型)」、「樽柿型(T型)」の2つのタイプに分類されることもあります。
・多形紅斑型(M型):小さな赤い発疹、丘疹が所々にできる。大人に多くみられる。
・樽柿型(T型):患部全体が赤紫色に腫れる。子供に多く見られる。
好発部位として末端の細い血管が多くある場所や、冷たい外気に当たりやすい場所に症状が出やすい為、手足、耳、鼻、頬などに症状は出やすいとされています。
予防・対策
・外出の際は、しっかりと手袋、耳当て、靴下、カイロ等で特に体の末端や、外気に触れやすい場所の防寒対策をしましょう。
・体が汗などの水分で濡れた状態を放置すると体温の低下、しもやけにつながります。手袋、靴下の内部が汗で蒸れた場合は早めに取り換え、水仕事などで体が濡れた場合はしっかりと水分を拭き取ることも重要です。
・体の内部から温める効果のある飲食物を摂取することや、ゆっくり入浴すること、血行を良くするためにマッサージをすることも効果的です。
・末梢の血流を改善する働きがあるため治療薬としても使用されるビタミンEを多く含む食材を摂るのも効果的です。せん茶、植物油、アーモンド、大豆、かぼちゃなどに多く含まれています。
治療
皮膚の保湿、保護を目的とした保湿剤や血流を改善するための薬を用いるのが基本的ですが、症状が悪化して痛み、痒み等が激しい場合は症状に応じて、抗炎症剤、痛み止め、かゆみ止めも用いることがあります。
軽度の場合は、処方箋なしで購入できるお薬を自身で買って対応したり、予防・対策でお話した内容に注意してご自身で対応してみても良いですが、改善しない、症状が重い場合はすぐに病院で診てもらうようにしてください。