便秘改善薬について | やまかわ薬局

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2017年8月23日

便秘改善薬について

皆さんこんにちは!猛暑が続き外出するには水分補給が必須な季節になってきましたね。

外が暑すぎるため家の中で身体を動かす機会が減っていませんか?

この時期には風邪引きが増えますが、便秘に悩まされる方も増えてきます。

そこで今回は「便秘薬」についてまとめてみました!

 

≪便秘について≫

便秘とは日本内科学会において、

3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態」

と定義されています。

また、便秘は大きく分けると器質性便秘機能性便秘に分類されます。

【器質性便秘】

器質性便秘は消化器官や肛門などに疾患があり、それが原因で便秘になっている状態のことを言います。主な症状として、

・吐き気、嘔吐、激しい腹痛

・血便や粘液が混じる

・何も心あたりがないのに急な発熱や便秘が起こる

などが挙げられます。この場合、病院で診てもらわないと本質的な治療は望めないことが殆どです。重大な病気の危険信号である可能性もあるので、器質性便秘に該当するような症状が出た場合にはすぐに病院へ行くようにしましょう

【機能性便秘】

機能性便秘は食生活や生活習慣などが原因で起こります。小腸・大腸機能の低下や異常によるものであり、病気に由来しない便秘であることが特徴的です。一般的な「便秘」とは、機能性便秘のことを指す場合がほとんどです。日常生活を改善するだけで解消する場合も多く、それでも解消しない、解消することが困難な場合には薬物治療を行います。

主に緩下剤、刺激性下剤、ルビプロストンなどの下剤が使用されます。ほかにも消化管運動機能改善薬や漢方薬なども併用される場合があります。

食生活の改善については以前にもご紹介しておりますのでそちらを参考にしていただき、今回は薬剤についてまとめていきます。

 

・緩下剤

酸化マグネシウム(マグミットなど)

主に含有されているマグネシウムが大腸内に到達すると、それを薄めようと腸が水分を分泌し始めます。そのため便が水気を含んで軟らかくなり、同時に腸管内を動くことで刺激になり排泄がよくなります。水分が重要ですので多めの水で服用すると効果的です。

ヒトはわずかではありますがマグネシウムを吸収し排泄します。注意してほしいことは腎臓の機能が低下している場合、この排泄がうまくいかず血液中に増えてしまうことがあります。めまい、ふらつき、吐き気、下痢などいつもと違う症状があるようならば相談してください。

 

・刺激性下剤

アントラキノン系薬(アジャストA、アローゼン顆粒、プルゼニド、ヨーデルSなど)

 大腸を刺激してぜん動運動を活発にすることで便を押し出す作用のある薬です。市販薬として販売されている便秘薬の多くに配合されています。服用してから810時間ほどで効果が表れますので、寝る前に服用して翌朝の排便を促す使用方法が基本となります。

効果は緩下剤より強いですが、習慣性がありますので長期間使い続けると効きが悪くなることがありますので、使用は短期間に限定することを勧めます。また、排尿時に黄褐色または赤色になることがありますが、薬の色なので問題はありません。

 

ピコスルファート(ラキソベロン

 先述のアントラキノン系と同じく大腸刺激作用がありますが、習慣性が少なく量調節が簡単にできる液剤タイプがあるのが特徴です。子供からお年寄りまで広く用いられています。

 

坐薬製剤(新レシカルボン、テレミンソフト)

 新レシカルボンは直腸内で炭酸ガスを発生させることで、またテレミンソフトは腸粘膜に直接作用することで直腸に刺激を与えて排便を促します。挿入後、1030分ほどで効果が表れますが、習慣性があるので長期間続けて使用すると効き目が悪くなります。

 

・その他

ルビプロストン(アミティーザ)

 2012年に発売された慢性便秘症に処方される腸液の分泌を促進することで便を軟らかくして排便を促す薬剤です。ここまで解説した薬剤はすべて大腸を刺激する薬剤であったのに対して、小腸の粘膜に作用して水分を増やす作用があります。これまで発売された下剤とは作用が異なりますので、ほかの下剤では効かない頑固な便秘に効く薬として期待されています。

副作用として下痢や吐き気、むかむか感が起こることがありますので、服用する際には通常12回食後服用を守ってもらう必要があります。また、妊娠している方・妊娠の可能性のある方、腸閉塞と診断・疑いのある方は服用することはできません。

 

浣腸剤(グリセリン)

 肛門から薬液を注入して直腸を強く刺激することで排便を促す薬剤です。主に直腸に溜まった硬い便を排泄する目的で使用しますが、習慣性がありますので連用は控えるのを勧めます。また、市販している薬剤や医薬品の浣腸剤では使用方法や容器の形状が異なっている場合がありますので、使用時には取扱い説明書をしっかり読んでから使用するようにしてください。

 

いかがだったでしょうか。繰り返しになりますが、機能性便秘は日常生活を改善するだけで解消する場合も多く、薬物治療はその次の段階であることを覚えておきましょう。また、最近ではドラッグストアでも気軽に便秘薬を買うことができますが、使用方法はしっかりと熟読してから用法・用量を守って正しく使用してください。飲み方がわからない様子でしたら、気軽に薬局のスタッフならびに薬剤師にご相談してください。

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