今回は、片頭痛についてのお話です。片頭痛は、緊張型頭痛、群発頭痛などと一緒に一次性頭痛(いわゆる、頭痛持ちの頭痛)に分類されています。一次性頭痛のうち多くは緊張型頭痛が占めていますが、片頭痛と比べると基本的には比較的症状は軽いとされています。
特徴・症状
・拍動性:脈拍に合わせたような頭痛を生じることが多い。
・頭の片側の痛み:病名の由来になっているが、実際は頭全体の痛みを感じる方も多い。
・きっかけ:ストレス、睡眠不足、女性ホルモン、天候・気圧の変化など。
・併発症状:吐き気や嘔吐を伴うこともある。発作時には感覚過敏になり、臭い、音、光に不快感を感じることもある。
・予兆:発症の数十分~2,3日前に、あくび、空腹感、抑うつ、倦怠感、首や肩のコリなどの症状が現れることもある。
・前兆:発症の数分~1時間ぐらい前に、目の前にギザギザした光(閃輝暗点)が見える等の前兆症状を伴うこともある。
・年齢:若い方に多いとされている。
・性差:比較的女性に多い。女性ホルモンが関係していると考えられている。
・発症機序:現在の所、明らかになっていない。血管説、神経説、三叉神経血管説などが言われている。
治療・対応
一般的な痛み止めで対応する場合もありますが、片頭痛の発作時にはトリプタン製剤と呼ばれる片頭痛発作治療薬がよく使われています。また、片頭痛の頻度や発作時間が長い方には、予防薬が処方されることもあります。
発作治療薬(トリプタン製剤):神経伝達物質であるセロトニンの受容体に作用することで、脳の血管収縮作用、抗炎症作用によって発作時の痛みを抑えます。発作時のお薬である為、予防的に服用したり、前兆・予兆症状が出たときに服用するのではなく、痛みが出始めてから服用するお薬です。服用頻度が増えてくると、服用過多による副作用として頭痛症状が現れることがあるので、服用のし過ぎには注意して片頭痛の頻度が増えてきたら医師に相談して下さい。
発作予防薬:発作が頻発する方、発症すると症状が長く続く方や重い方などは予防として、薬を続けて服用する場合もあります。予防薬としてカルシウム拮抗薬、β遮断薬、抗うつ薬、抗てんかん薬などが用いられることがあります。
発作時の対応によっても症状を和らげることができます。
・冷やす、圧迫する:血管が収縮して痛みが和らぐとされています。逆に、入浴などで温めたりすると血管が拡張して悪化する場合があるので注意してください。
・静かな、暗い場所で横になる:発作時は感覚が敏感になるため、静かな暗い場所で安静にしてください。
今年は、例年より早く梅雨入りしているところもあり、すでに片頭痛症状が増えてきた方もいるのではないでしょうか?コロナの影響などでストレスが影響で片頭痛等の悪化に悩まされている方もいるかもしれません。片頭痛などの一次性頭痛の方では、特に、薬物使用過多による頭痛が問題となることがあるので、頻度が増えてくるようなら医師、薬剤師に相談するようにしましょう。