みなさんこんにちは!
季節の変わり目は体調を崩しやすいのでお気を付けください。
さて、今回は褥瘡についてみていきたいと思います!
褥瘡とは・・・
寝たきりなどによって、体重で圧迫されているところの血流が悪くなったり滞ることで、皮膚の一部が赤くなったり、ただれたり、傷ができてしまう状態のことをいいます。一般的に「床ずれ」ともいわれています。
私たちはふつう、無意識のうちに眠っている間は寝返りをうったり、長時間椅子に座っているときはお尻を浮かせるなどして、同じ部位に長い時間の圧迫が加わらないようにしています。このような動作を「体位変換」といいます。
しかし自分で体位変換できない方は、体重で長い時間圧迫された皮膚の細胞に十分な酸素や栄養が行き渡らなくなり、これにより「褥瘡」ができます。また皮膚の表面だけでなく、皮膚の中にある骨に近い組織が傷ついている場合もあります。
皮膚の表面には表皮があり、その下には真皮、皮下組織(脂肪)、筋肉、骨組織があります。ここで、褥瘡の分類についてご紹介します。
ステージⅠ・・・圧迫を除いても消退しない発赤
ステージⅡ・・・真皮までにとどまる皮膚の傷害、水疱やびらんなどの浅い潰瘍
ステージⅢ・・・傷害が真皮を越え、皮下脂肪層にまで及ぶ潰瘍
ステージⅣ・・・傷害が筋肉や腱、骨にまで及ぶ潰瘍
ポケット・・・すでに発生している褥瘡に、ずれによる力が加わって空洞が生じる難治性の褥瘡
褥瘡になりやすい体の部位
骨が突き出した部位は強く圧迫されて、褥瘡ができやすくなります。褥瘡のできやすい部位は、寝ているからだの向きや姿勢によって違ってきます。
仰向けに寝る場合→後頭部、肩甲部、仙骨部、かかと
横向きに寝る場合→耳、肩、ひじ、腸骨、ひざ、くるぶし
座っている場合→背部、尾骨、坐骨
褥瘡の見分け方
褥瘡のできやすい部位の皮膚が赤くなっている場合、それが褥瘡であるのかを確かめる方法に、人差し指で赤くなっている部分を軽く3秒ほど圧迫し、白っぽく変化するかどうかを確認する方法があります(指押し法)。押したときに白く変化し、離すと再び赤くなるものは褥瘡ではありません。押しても赤みが消えずそのままの状態であれば、初期の褥瘡と考えます。
褥瘡の予防
1.体位変換
長い時間同じところの圧迫を避けるため、基本的に2時間を超えない範囲で定期的に体位変換を行います。方法のひとつに骨の突き出しがない広い面積のお尻の筋肉で体重を受けることができる「30度側臥位」があります。この体位をとる場合はクッションなどを活用して、できるだけ広い接触面積で姿勢を保てるようにします。ただし、個人差があるので「30度」はあくまでも目安とします。
体位変換のときはベッドからの転落や摩擦・ずれをなくすため、できれば2人で行います。1人で行う場合は体の部分を少しずつ移動させます。スライディングシートなどの回転しやすいシートを利用する方法もあります。
体圧分散用具の目的は、①「沈み込み」や「包み込み」により突出部の圧力を低くする(身体の接触面を増やす)こと、②「接触部位を変える」ことによって接触圧を低くするものです。そして体圧分散寝具を使用することにより、褥瘡発生率を低下させることが可能です。体圧分散寝具を選択する場合には、自力でどの程度動けるか、褥瘡発生リスク、骨の突出具合、好み、ケア環境等も考慮して選択します。
3.栄養
褥瘡予防の栄養管理の基本は、低栄養の回避、改善です。低栄養状態を確認する指標には、炎症、脱水などがなければ血清アルブミン値や体重減少率、喫食率(食事摂取量)があります。
4.スキンケア
褥瘡になりやすい皮膚の状態としては、尿や便失禁による湿潤(皮膚のふやけ)があります。排泄物が付着した状態が長時間続くと、皮膚への刺激が加わり皮膚トラブルから褥瘡発生につながりやすくなります。排泄物から皮膚を守るためには、皮膚の洗浄後に、肛門・外陰部から周囲皮膚へ皮膚保護のためのクリーム等の塗布を行うことが勧められています。また皮膚の洗浄については、皮膚をゴシゴシ擦らないように優しく丁寧に洗うことが大切です。石鹸を使う場合には、よく石鹸を泡立て、十分に洗い流しましょう。
特に高齢者の皮膚は弱く、骨の突出した部位は皮膚の摩擦を強く受けやすい状態になっています。日頃より皮膚が乾燥しないよう保湿クリームなどを塗布することが大切です。
高齢になると、加齢などににより低栄養を起こしやすくなったり、食事の量の低下などにより貧血や脱水症状も起こしやすくなったりします。また、痩せていることや抵抗力の低下、組織の耐久性低下などによっても褥瘡を起こしやすくなります。
褥瘡ができてから褥瘡を治すよりも、いかに褥瘡をつくらないようにするか、予防の視点でみていくことが大切です!自分で体位変換できない方の介護をされている場合は特に、予防法を知っておくことが必要であるといえます。もし褥瘡ができてしまった場合は、早めに医師などにかかり、初期段階で治していくことが重要です。
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