認知症 | やまかわ薬局

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2021年2月21日

認知症

今回は認知症についてお話します。

物忘れと認知症認知症のお婆さんのイラスト

物忘れも認知症も加齢によって現れやすくなるという点では似ていますが、両者は異なるものです。加齢による物忘れは、脳の衰えによるものに対して、認知症は様々な原因によって、脳の神経細胞が破壊・減少することによって症状をきたします。症状にも大きな違いがあり、一般的な物忘れは体験の一部を忘れてしまい、ヒントがあれば思い出すことができ、本人は忘れたことを自覚しており、日常生活に大きな支障をきたすことはほとんどありません。しかし、認知症では、体験したこと自体を忘れて、本人が忘れている自覚もなく、ヒントがあっても思い出すことができない為に日常生活に支障をきたすことがあります。

症状認知症のお爺さんのイラスト

認知症の症状には大きく分けて「中核症状」、「周辺症状」という2つの症状があります

中核症状:脳の神経細胞の破壊・減少による認知機能の低下からくる症状

記憶障害:初期には比較的最近の記憶(短期記憶)が失われやすく、進行とともに古い記憶(長期記憶)も失われていきます。ただし、一般的な知識や楽器の使い方などの体で覚えたことは失われにくいとされています。

見当識障害:時間、場所、対人関係が分からなくなります。場所が分からなくなることで迷子になったり、自宅の中でもトイレやお風呂の場所が分からなくなったりします。対人関係の見当識障害では、進行とともに家族等近しい人のことも分からなくなってしまいます。

実行機能障害:計画して、その工程を順序よく実行する能力の低下。計画的な買い物が出来なくなって同じものを買ったり買い忘れが増える、料理ができなくなる、レパートリーが減る、洗濯の合間に掃除をすることなどできなくなってしまいます。

失行:身体に問題はないにも関わらず、普段できていたはずの着替えができない、お箸などの物を使えなくなる等の日常の動作ができなくなってしまいます。

失認:身体に問題はないにも関わらず五感(視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚)による認知機能が正常に働かず、物事を正確に把握できなることです。触れられていることはわかるが、どの部分が触れられているかわからない。視界の半分の空間が認識できずに食事を半分残したり、歩行中に何かにぶつかってしまうこともあります。

失語:脳の言語に関する領域が損傷を受けることによって起こる言語障害です。脳の損傷部位によって、言葉の意味は理解できるが上手く話せなくなったり、間違えがが多くなる場合(運動性失語)、発語は丁寧に出来るが、言葉の意味が理解できない為に全く違う返答をしてしまう場合(感覚性失語)があります。

深夜徘徊をする高齢者のイラスト(おじいさん)物盗られ妄想のイラスト食事介助を拒否する人のイラスト

周辺症状:中核症状が原因となって起こる行動や心理症状のことを言います。今までできていたことができなくなっていくことや、他人との意思疎通が上手くできなくなることなどからくる不安や苛立ち、ストレスによって「抑うつ状態」、「暴言・暴力」、「睡眠障害」などの症状が現れたりします。その他、「徘徊」、「せん妄」、「幻覚」、「物盗られ妄想」、「失禁」、「介護拒否」、「帰宅願望」といった症状も中核症状が原因となる周辺症状に分類されています。

 

今回は、認知症の症状に関するお話だけになってしまいました。次回、もう少し認知症に関してのお話をしたいと思います。

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