骨粗しょう症とは?
「骨粗しょう症」とは、骨がスカスカになり、骨折を起こしやすくなる病気です。
骨は形成と吸収(破壊)のバランスで骨密度を保っています。
女性では、閉経により女性ホルモンが減少すると骨吸収が盛んになり、バランスが崩れて骨密度が急速に低下します。
骨密度が若い女性の70%未満になると、骨粗しょう症と診断されます。
骨密度(骨量)測定法
DXA法(2重エックス線吸収法)
2種類のエックス線を用いて骨量を測定する方法です。
MD法(Microdensitometry法)
手の横にアルミニウム板を置き、一緒にエックス線写真を撮影し、画像の濃淡の差をコンピューターに読み取らせて解析する方法です。
QCT法(定量的CT測定法)
CTを用いて算出する方法で、腰椎の3次元的な骨量を測定できます。
QUS法(定量的超音波測定法)
超音波の伝搬速度を用いて骨を評価する方法で、通常は踵の骨を用いて測定します。
薬による治療
カルシウム、ビタミンD、ビタミンKなどの骨の栄養素や、骨が壊されることを抑制する薬剤が多く使われています。
さらに、最近は骨形成を促進する副甲状腺ホルモン薬や抗スクレロスチン抗体も使用されるようになるなど、患者さんの骨の状態によって最適な薬剤を選ぶことができるようになってきています。
しかし、せっかく新しい薬剤が開発されても、約半数の方が1年で処方どおりに服薬しなくなり、 5年後には約半数の方が服薬を辞めてしまうと言われています。
骨粗しょう症による骨折を防止するためには、治療を継続することが重要です。
食事による治療
カルシウムは骨を構成する重要な成分の一つで、カルシウムを吸収するためにはビタミンDが必要です。
さらに、骨にかかわる成分としては、ビタミンKやタンパク質なども必要です。
したがって、カルシウムだけではなくバランスのとれた栄養を摂取することが大切です。
また、治療のために必要なカルシウムの量としては、一日当たり700~800㎎がすすめられていますが、摂取のしすぎには注意が必要です。
カルシウム : | 牛乳・乳製品、小魚、緑黄色野菜、大豆・大豆製品 |
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ビタミンD : | サケ、ウナギ、サンマなどの魚類、きのこ類 |
ビタミンK : | 納豆、緑色野菜、果物と野菜 |
タンパク質 : | 肉、魚、卵、豆、穀類など |
予防のために生活環境を整える
骨折を防ぐためには、骨を強くすることも大切ですが、転ばないようにする努力も必要です。
以下のことに気を付けましょう。
・カーペットの段差など、室内の段差を無くす
・滑りやすい床や履物に気を付ける
・足元にあるコード、小物等を片付ける
・動きやすい服装にする
骨粗しょう症による骨折のために生活の質が低下したり、介護を受けたり、「寝たきり」の生活を送っている患者さんもおられます。
このような患者さんを増やさないためには、骨粗しょう症の正確な診断と適切な治療を受けることが大切です。
特に女性の方には、50歳を過ぎた頃から定期的に骨量を測定されることをお勧めします。