正しく使わないと危険!抗生物質について | やまかわ薬局

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2023年3月31日

正しく使わないと危険!抗生物質について

 

みなさんこんにちは!

冬から春へと季節が変わり、日中と朝晩の気温差で体調を崩されていませんか?

最近は風邪薬をもらいに病院に来られる方が増えてきたように思います。


みなさんは個々の症状に合わせた薬と一緒に、抗生剤をもらった経験はありますか?


今日は抗生剤についてお話しします。

 

 

抗生剤(抗菌薬)とは?

細菌による感染症に対する薬のことです。

ウイルスによる感染症には効かないため、インフルエンザや新型コロナなどには効果を示しません。


抗菌薬は細菌の構造や増えていく仕組みのどこかを邪魔して効果を発揮します。

 

 

よく使われている抗菌薬には主に次の4つの作用機序があります。

 

・細胞壁合成阻害

細菌の細胞壁が作られるのをブロックすることで抗菌作用を示します。


βラクタム系(サワシリン・メイアクトなど)、ホスホマイシン系(ホスミシン)、グリコペプチド系(バンコマイシンなど)など

 

・タンパク質合成阻害

細菌の細胞内でタンパク質が作られるのをブロックすることで抗菌作用を示します。


アミノグリコシド系(ゲンタマイシンなど)、テトラサイクリン系(ミノマイシンなど)、マクロライド系(クラリスなど)など

 

・核酸合成阻害

細菌のDNAやRNA合成をブロックすることで抗菌作用を示します。


キノロン系(クラビットなど)、リファンピシン(リファジン)など

 

・葉酸合成阻害

細菌の葉酸合成をブロックすることで抗菌作用を示します。


スルファメトキサゾール・トリメトプリム(ST)合剤(バクタ・バクトラミン・ダイフェンなど)

 

 

抗菌薬は他の薬と同様に副作用が出る場合があります。

特に多いのは下痢です。


病原体だけではなく、腸内の環境を保っている細菌も抗菌薬が攻撃してしまうためです。

 

また、風邪など抗菌薬が必要ない病気に抗菌薬をむやみに使用すると、耐性菌(たいせいきん)といって、

抗菌薬が効きにくい菌が発生しやすくなることがあり、問題になっています。

耐性菌の増加により、抗菌薬が本当に必要な細菌感染症(中耳炎や肺炎など)が治らず重症化したり、

命を落としたりすることが増えているのです。

 

 

どこにおきた感染症なのか、どの菌によるものなのか、などから最適な抗菌薬を判断して処方されます。

1日1回の薬もあれば、1日3回の薬もあります。


それぞれ薬によって服用方法が異なりますので、医師や薬剤師の説明をきちんと聞き、正しく服用しましょう。


症状がよくなったからといって途中でやめてしまうと感染症がきちんと治らない恐れがあります。


また、残った薬を取っておいて後から飲むのは、病気に合わなければ効かないだけでなく、

思わぬ副作用が出てしまう可能性もありますので、絶対にしないでください。

 

 

 

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