感染症 | やまかわ薬局

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2022年5月26日

感染症

今回はこの時期に注意するべき感染症の中で、子供の三大夏風邪とも呼ばれる手足口病、ヘルパンギーナ、プール熱と昨年この時期に流行したRSウイルス感染症についてお話していきたいと思います。

○手足口病手足口病のイラスト

夏場、特に7月ごろに感染のピークを迎えることが多い感染症で、5歳未満の小児の感染がほとんどになりますが、まれに大人にも感染します。

・原因ウイルス:主にコクサッキーウイルス、エンテロウイルス

・感染経路:飛沫感染、接触感染、糞口感染

・症状:感染から3~5日後に発症。口や手足に水疱性発疹症状、発熱する場合もあります。ほとんどの場合、症状は数日~1週間程度で治りますが、発症1-2ヶ月ごろに爪が剥がれ落ちることがあります(すぐに新しい爪が生え始めます)。口の中の水疱がつぶれた後の口内炎の痛みによって、飲食ができず、脱水等につながることもあります。

・治療:治療薬はなく、鎮痛剤などによる対症療法

・感染、二次感染予防:一般的なマスク、手洗い、うがいなどの予防。唾液などを介して感染することも多く、感染しているお子様が舐めたり、くわえたりしたものを他の人が触らないようにすることも大切です。症状回復後も、数週間ウイルスの排出が続くため、症状回復後も数週間は感染対策をしましょう。

 

○ヘルパンギーナ 熱を出した赤ちゃんのイラスト

主に4歳以下、特に1歳前後の乳幼児での感染が多く、突然の発熱や痛みで飲食を嫌がる場合はヘルパンギーナが疑われます。

・原因ウイルス:主にコクサッキーウイルスA群

・感染経路:主に飛沫感染、接触感染

・症状:感染後3-6日の潜伏期間を経て発症。1-3日ぐらい発熱が出ると同時に、喉の腫れや水疱症状を伴う。高熱による熱性けいれんや、喉の腫れ、水泡による痛みで飲食を避けてしまい脱水症状につながることもあります。

・治療:治療薬はなく、対症療法になります。特に、脱水には注意してこまめに少しずつでもいいので水分補給させるようにしましょう。

・感染、二次感染予防:一般的なマスク、手洗い、うがいなどの予防。唾液などを介して感染することも多く、感染しているお子様が舐めたり、くわえたりしたものを他の人が触らないようにすることも大切です。症状回復後も、数週間ウイルスの排出が続くため、症状回復後も数週間は感染対策をしましょう。

 

○咽頭結膜熱(プール熱) 水泳のイラスト「プール」

塩素消毒が不十分なプールの水を介して、学校などで集団感染することが多かったためにプール熱と呼ばれます。

・原因ウイルス:アデノウイルス

・感染経路:主に飛沫感染、接触感染

・症状:感染後2-14日の潜伏期間を経て発症。名前の通り咽頭炎症状、結膜炎症状、発熱症状が1週間程度続きます。その他の症状として、頭痛や食欲不振が出ることもあります。

・治療:治療薬はなく、症状に対して解熱剤、鎮痛剤、目薬(抗生剤、ステロイド、抗ヒスタミン剤)等を用いる対症療法になります。

・感染、二次感染予防:感染者は目ヤニが増えることが多く、その目ヤニがついたタオルを介して感染することもあります。家族が感染した場合、タオルは分けて使う、洗濯も別にするようにしましょう。その他には、手洗い、うがい、マスクなどの対策も有効です。

 

○RSウイルス感染症

以前は9月以降の秋ごろに流行することが多くありましたが、最近では6月ごろから流行することが増えている感染症になります。感染力が強く、2歳ごろまでにはほとんどの方が一度は感染すると言われています。

・原因ウイルス:RSウイルス咳をするパンダのイラスト

・感染経路:主に飛沫感染、接触感染

・症状:感染後2-8日の潜伏期間を経て発症。ほとんどの場合は発熱、鼻水等が数日続くだけの軽症で終わります。ひどい咳、喘鳴、呼吸困難などの呼吸器症状が現れた場合は、肺炎などつながる危険があるので注意が必要になります。

・治療:それぞれの症状に対する対症療法になります。重症化した場合は酸素投与、点滴、呼吸管理等の必要があるため呼吸器症状が出始めたらすぐに病院で診てもらうようにしましょう。

・感染予防:マスク、手洗い、うがい等。早産児や、心臓や肺に基礎疾患、ダウン症、免疫不全の基礎疾患を持つ新生児、乳児は重症化のリスクが高い為、予防として抗体製剤の注射を行うこともあります。

 

 

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