SGLT2阻害薬 | やまかわ薬局

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2021年9月22日

SGLT2阻害薬

今回はSGLT2阻害薬についてお話します。SGLT2阻害薬とは、糖尿病治療薬の1種であり、余分な糖を尿と一緒に体外に排泄することで血糖値を下げるお薬です。

働き椅子に座るお医者さんのイラスト(男性)

・血糖降下作用

血液は腎臓の糸球体で濾過されて、原尿として尿細管に入り最終的に尿として体外に排泄されています。通常、糸球体を通過した血液中の糖は尿細管に入りますが、主に尿細管でSGLT2を介して血液中に再吸収されることによって尿と一緒に排泄されることはありません。ここで、SGLT2阻害薬は、糖の再吸収を阻害することで、尿と一緒に糖を体外に排泄して血糖値を下げています。

・体重減少作用ウエストがゆるい服を着る女性のイラスト(ダイエット後)

エネルギー源でもある血中の糖が減少するため、それを補うために脂肪を分解してエネルギー源にしようとする働きが進むことや、排尿量増加で体内の水分量が低下すること、一部、筋肉量が低下することもあって体重が減少するとされています。

・その他には、尿酸値を下げたり、排尿量増加で利尿剤のような働きをすることで血圧を下げる働きもあるとされています。

注意点

頻尿のイラスト

多尿、頻尿、脱水:尿細管で糖が再吸収されずに尿中に糖が含まれたままになると、尿が濃くなり浸透圧の影響で尿を薄めるため体から水分を引っ張り出し、尿量が増え多尿、頻尿、脱水のリスクが高くなります。仕事の都合などで、トイレの回数が増えて困るような方,高齢で脱水のリスクの高い方は特に注意が必要です。

手のしびれ・ふるえのイラスト

低血糖症:個人差はあるが、一般的に血糖値70㎎/㎗以下になると現れやすい症状です。血糖値が下がってくると、先ずは血糖値を上げようとする影響で発汗(冷や汗)、手足の震え、脈拍数の増加、だるさ、空腹感、不安感などの症状が現れ、さらに下がると眠気、激しい脱力感、目のかすみ、頭痛、集中力の低下などが現れ、最終的には意識がもうろうとして異常行動、けいれん、昏睡といった症状が現れ命にかかわる危険もあります。他の糖尿病治療薬と同様に低血糖症状についても注意が必要であり、定期的な血糖値の測定、初期症状を理解して早めに対応できるようにしておくことが重要です。

細菌・ばい菌のイラスト「悪い顔のキャラクター」

尿路、性器感染症:もともと糖尿病患者さんは、尿路、性器感染症のリスクが高くなるといわれています。それに加えてSGLT2阻害薬を服用することで感染リスクが高くなるとの意見もあります。

お菓子を我慢する人のイラスト(女性)

体重減少:体重減少作用にはデメリットもあります。服用していると痩せることがあるため、糖尿病治療において重要である食事療法、運動療法を疎かにしてしまうことがあります。筋肉量を低下させてしまうこともあるので、特に高齢の方に対して使う場合は注意が必要です。

 

 

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